仮面舞踏会【短編二編】

『お気の毒ですが・・・・・』

里緒は、涙が出てきて その後は子供のように大声で泣きはじめた。

その泣き声を遮るように占い師が里緒に向かって言う。

『この薬は心が見えるようになる薬。

心の美しい人が飲めば美しくなるし、心の汚い人が飲めば醜くなるのです。

つまり薬にもなれば毒にもなるのですよ。

あなたが醜くなったのは、心が醜いからでしょう。

よく考えてみなさい。

すべてをここで話して心の浄化をすることです。

そうすればすぐに もとの姿に戻るでしょう。

ただし!あなたが本当に心から悪かったと思えばですけれど』

里緒は俯いていた・・・

硬く握られた両手に涙が次から次へとこぼれ落ちた。

しばらくは沈黙が続いたが、ぽつりぽつり話しはじめた。

『何から話せばいいのか・・・・

でも今は真奈美に、本当に悪いことをしたと反省しています。』

真奈美には意味がわからなかった。

『どういうことなの?』

『川島さんのことも、すべて私のために嘘をついたの。

彼はあなたのメールの相手ではないわ。

彼はデザイナー梓麗の弟で、彼女の事務所でマネージャーをしているの。

誠実そうに見えるけれど、本当は女たらしで 

たくさんのモデルに手をつけている。

あなたに一目惚れしてどうしても紹介してくれって言われて。

パリコレを交換条件にされたの。

勝手だけど私もモデルとして出世したかった。

あなたの市ノ瀬さんへの気持ちを踏みにじってしまってごめんなさい。

許してもらえるなんて思っていないけれど、心から謝りたい。』

真奈美は、まだ信じられなかった。