仮面舞踏会【短編二編】

クリスマスイブの夜・・・

あの占い師からもらった小さな不思議な薬も、残りあと5粒。

たったひとつだけ 薬を飲まなくても効力が持続する方法なんて

真奈美には見つけられそうになかった。

一日だけ薬を飲まない日があったが、確実にもとの姿に戻ってしまうのだ。

次の日 仕事が終わると、あの占い師のいる袋小路に行ってみた。

しかし占い師は、そこにいなかった。

そして、次の日もその次の日も占い師に会うことはできなかった。

(どうしよう・・・・薬は あと1粒しかない。

もし明日占い師に会えなかったら・・・・・・・どうすればいいの?)

帰宅すると 里緒はもう帰っていた。

『え?占い師に会えなかったの?本当に?』

里緒がしつこく訊いてきた。

『どうしよう。もう川島さんとは会えない』

『どうしよう』

里緒は頭をかかえて考えこんでいる。

『いいわよ 自分でなんとかするから・・・

里緒にまで迷惑かけたくないの。ごめんね。』

里緒が、よりいっそう深刻な表情になったことに真奈美は気が付かなかった。

部屋へ入って引き出しを開けると、そこにあるはずの薬がなくなっている。

(あれ?おかしいな なんでないんだろう)

真奈美は引き出しをはずして隅々まで探したが薬は見つからなかった。

(ダメだわ あれがないと出かけられない  どうすればいいの?)

真奈美は眠れなかった。明日になって鏡をみるのが怖かった。

とうとう一睡も出来ないまま朝を迎えた。恐る恐る鏡を覗くと、

以前の見たくない真奈美の姿がある。

奇跡は起こらなかったのだ。