仮面舞踏会【短編二編】

『へぇ~これが美しくなる薬?』

里緒は薬の入った袋を天井に翳して まじまじと見た。

『ねぇ この薬をすべて飲みきったら、またもらえるの?』

『わからない。たったひとつだけ 

この薬を飲まなくなっても美しさが持続する方法があるらしいの。

でも無理ね 私じゃわからないわ』

『ねぇ!これ一粒だけ飲んじゃダメ?』

真奈美は占い師の警告を思い出した。

『それがダメなの!私以外の人は絶対に飲んじゃダメらしいわ。ごめんなさい』

『そんなこと言わないで!お願い 親友でしょ』

『親友でも、ダメなのもはダメなの!!』

そう言うと真奈美は部屋へ行ってしまった。

こんなに頑固な真奈美を見たのは初めてだった。

里緒も自分の部屋に戻ったものの あの不思議な薬が気になって眠れなかった。

真奈美はさっそくパソコンの前に座り新規メールをクリックした。


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こんにちは 優樹さま

突然ですが来週にでも会いませんか?

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(ダメね これじゃあまりにもストレートすぎる)

クリアーして再度入力。そしてまた同じことを繰り返す。

とうとう最後は削除してしまった。

真奈美は、窓を開けてベランダへ出た。

ひんやりした風が心地よい。

雪は昼間のうちに融けてしまい 今朝の雪景色が嘘のようだ。

遠くに都心の高層ビル群が見える。美しいが、何故か冷たさと孤独を感じてしまう。

この空の下・・・・どこかに彼がいる。

確かに彼はここに存在しているのだ。そう思うと、胸が熱くなった。

彼はどんな気持ちで、この夜景を見ているのだろう。

寒くなって部屋へ入ると、薬を飲んでそのままベットに入ったがなかなか眠れない。

(きっと明日は寝不足で辛いだろう。)