紅龍 ―1―

ふふっ。まさか兄貴と理事長と生徒と言う関係になるとは―…。


人生って凄い!!!



なんて人生に感心してみる。




「あっ、じゃあこいつがお前の担任ね。」


昔みたいに笑い転けた後、

急に理事長ヅラしだす兄貴。



まっいいけど。



―…てか、担任って


「なんであっちゃん?」



扉から入って来たのは、
佐藤 惇 サトウ アツシ

兄ちゃんが総長の時に幹部だった人。


"あっちゃん"とはあだ名。

優しくて、でも怒ると怖いんだよね…


「あぁ"?誰だ俺をあっちゃんとか呼ぶのはぁ!!!」


はいっ、いきなり怒らせちゃいました。


どす黒い声を出すあっちゃん。


感動の再会―…とかないの?


しかも誰だなんて私が分からんのか!!!


「誰だと?私だよ私。1年A組黒瀬蘭だよ?知らねぇとは言わせねぇよ?」


だったら私が誰だか分からせてやるよ…。


「ら…蘭って―…」

「惇どんまい!!」

「えっちょ、涼さん!!」


今さら気ずいても…


遅いよ?




「―…」









私は指を鳴らしながらあっちゃんに近づいていった。