紅龍 ―1―



「あっそうだ。副総長が―…隼人君がこっちに向かってるよ?」


何を思い出したかのようにペラペラ話す架可。


「―――……ちっ。」


隼人が―…?


「しかも1人でな。フフフ。」


架可は奇妙な笑い方をする。


隼人1人だけなんて―…


「お前…ふざけ…んな…よ!!!」


ふざけている。


「…ふざけてなどいないよ。よく考えろ。お前も気づいているだろうが…今、この倉庫には俺とお前しかいない。他の奴は帰らした。俺は隼人を1人でやる。」



隼人を1人でする?


隼人を馬鹿にしすぎだ。

隼人は1人でも黒蛇ぐらい潰せる。


そのぐらい強い奴を1人でなんて尚更ふざけている。


「てか、馬鹿じゃ…ん。」


私は顔を上げ、奴におもいっきり馬鹿じゃないのって顔をしてやった。


でも―…


「まだ気づかねぇの?こっちにはお前がいる。隼人君の1番の弱点がな―…?」

「―…。」


一気に顔が青ざめるのが自分でも分かった。


そういう事か―…。


倉庫に黒蛇の奴らがいない理由。



私と隼人。そして今、目の前のこいつだけで…



今から起こる事を済まそうとしている。



…―チッ。


一体私はどうすればいいんだ…。