紅龍 ―1―



―――――…。


身体中に激痛が走る。



車には誰も乗っていなかった。


と言う事は、まんまと罠にかかったか―…。




頭は打ってない。


でも、腕は折ったな…



目の前に影ができる。


「すみませんねぇ。紅花様。いや、蘭様。」


私を見下ろす男。


たしか隼人にもらった黒蛇の資料に―…


「神崎…か…糞が…。」


黒蛇の幹部まで出てくるとは…


女一人に…。


情けない。



「名前を知っていてぐださるとは光栄ですね。


ふふっ。あなたに黒蛇の倉庫に来てもらいますよ。死なれては困るので…。」



頭が動かせないため奴の顔は分からないがきっと笑っている。


「―…。」


なに笑ってんだよ。


私を拉致るの?

なんて


言い返す言葉もでない。



ヤバイ―…





意識―…が。







そこで私は意識を手放した。




ごめんね


隼人―…



ごめんね



みんな―…。





言葉の代わりに涙が一粒静かに流れる。