ACcess -操-

水色の生き物は僕の肩に乗り、頬擦りをして頭の上に乗っかった。

どこかで見た事あると思ったら、クロファンのアイコンだったと思い出した。

そいつは呑気に僕の頭の上でクルクル回転し始めた。
「さっそく気に入られた様だね。」
それを見て商人は楽しそうに笑った。


無くさないように、早速指輪を右手の人差し指にはめようとした。

いや、装備すると言った方がいいのかな?
「…右手は権威や権力、現実の力、相手への願い。」
「…?」
「はめなよ、シーフ君。」

指輪ははめる指や手の位置により、意味が違うと聞いた事がある。
例えば願いや願望、他人に自分を象徴する為など。
「…詳しいんですか?」
「いいや。ただ、聞いた事があるだけだよ。詳しくなんかないよ。」
彼は少し寂しそうに笑った。


僕らは彼としばらく会話した後、その場を後にした。

いい買い物をしたと僕は思ってるけど、スカイはそうは思っていないようだ。
「もったいないっ!指輪に全財産使うなんてっ!」
「でもこいつ、めっちゃ人懐っこいよ?
 ほら、すんごく可愛いし!」
「可愛くないっ!」
「えぇっ!?酷いーっ!
 なぁ、お前ー?」
頭の上にいたそいつに話し掛けると、楽しそうに回転し始めた。
「よしっスカイを攻撃だ!」
「なんでだよっ!」
スカイの蹴りが僕にヒットした。