ACcess -操-

彼は僕に向けて手を差し出した。

クリクリとした目。

涙型の容姿。

スケルトンブルーの体。

手の平の上のそれは僕をジッと見つめた。

「いいでしょ?ペット機能が付いた指輪。そいつの属性は水。
 可愛いモノだろ?」
「な…なんですかぁ、コレっ!?」
「ん?ペットじゃん、水の妖精。まぁ、フェアリーって感じじゃないけど。」

「おお!俺、地味に初めてペット見た!」
「最近は自動設定の人が多いから、戦闘時ぐらいじゃないと見ないしね。
 こんなの連れて歩いてても…ねぇ。」
「まぁ、戦闘ぐらいじゃないとあんまりメリットないし。
 これ、イベントで優勝しなきゃ貰えないんスよね?」
「そだよー。
 結構苦労したなぁ…。」


「…あ、あのっ!」
「なーに?」
「こ、これっ!」
「?」
「飼いますっ!」

「…!?」
「んんっ!?」

「かっわいっ!
 飼います、飼いますっ!」

「ちょっと待って…せめて買っていってね…。」
「おいおいマジかよ…。
 ジッと見てると思ったら…。」


僕は彼に全財産を渡した。
「はいっこれ!」
「まぁ、全財産でも足りない気がするけど…いっか。
 まいどありー。」
「お前なぁ、初っ端から文無しかよ…。」
「儲かったよーありがとうね、お二人さん。」
「…へい、どうも。」