ACcess -操-

全財産を見る。

今の自分の財布の中身とそう変わらない。
始めたばかりだからそんなもんだろう。
「…全部揃えるにはまだお金が足りないや。
 ねぇ、なんかオススメあるの?」
「んー…あれはどうだ?
 シーフって他の職業には出来ない、罠を仕掛ける事が出来るんだ。それの材料とかは?消耗品だし、使うだろ?」
「罠の材料かぁ…でもアクセサリーもいいね。
 でもやっぱお金ない。」


スカイが手招きした。

何事だと寄っていくと、やる気のないアバターがメールボックスと睨みながら店番していた。
「…いーらっしゃい。」
「やる気ないっすねー。」
「まぁねぇー…。
 あ、格安だよ?買ってくかい?」
「…これチート?」
「まさか。
 いやぁさぁ…俺、転生しようかなぁって思っててさぁー…とりあえずボックス整理中なんだよね。」
「…それ、本当?」
「おいおい、マジだよマジ!まだ疑ってんの!そんな度胸ないからね!
 ほらこれ、いらないかい?」
「じゃあ、タダで下さいよー。」
「えぇーっ!それは無理!」

出店している呪術士と会話している彼は隣で商談を始めた。

その横で僕はアイテムボックスを覗き込んだ。

薬草、火炎袋、大地のお守り、水龍の書、破魔の杖、マジックビール…。
呪術士専用の装備や武器、など色々入っていた。