足元に白い光の輪ができ、画面が暗くなる。
「また酒場に戻るぞー。」
ｽｶｲの声が、画面が暗くなる少し前に聞こえた。

次に画面が色を取り戻した時は、本当にあの酒場にいた。
「おかえり。」
隣に立っていたｽｶｲが呟いた。

「た…ただいま。」
おかえりの声に反射的にただいまを返す。
まぁ、ﾌｨｰﾙﾄﾞから戻ってきたからおかえりも、ただいまもあっているだろう。

森に行く前と同じように酒場の中は賑わっていて、従業員のお姉さん達も行く前と変わらぬ同じ場所でﾆｺﾆｺしていた。

色んな事を理解しようとしていた僕を後ろから押しながら、ｽｶｲは僕を外に押し出した。
「ｹﾞｰﾄの前で突っ立ってたら、皆の邪魔だろうが！」
「あっ！あー…うん。」


酒場の外へ出て、ﾄﾞﾗｺﾞﾝ広場の方へ歩いていく。
「なんか…びっくりぃ。」
「…なんだよー。」
「いやっ楽しかった！」
「…へいへーい。」
ｽｶｲは軽く僕の話を流した。

たかがｹﾞｰﾑ。
そう思っていたがﾘｱﾙな画面、音、ﾘｱﾙﾀｲﾑに会話出来る楽しさ…。
まるで現実のような感覚。
ﾜｸﾜｸ感とﾆﾔﾆﾔ感が止まらなかった。