中に入ると少し薄暗く、まるで西部劇に出て来るような埃っぽい感じの酒場だった。

そこは外と同じ様な賑わいで、たくさんの人が楽しそうに過ごしていた。

中は予想以上に広く、横に大きく広がっていた。

入口と反対側の壁に沿ってカウンターが取り付けてあり、そのカウンターの中には従業員と思われる女の子や、酒場のマスターらしき人物が姿勢よく立っていた。

店の真ん中のスペースはテーブルやイスがあり、酒樽や木箱も無造作に置いてあった。
何名かその樽や箱をテーブル代わりに使ったり、腰掛けたりして笑いあったりしていた。


スカイは入口横に設置してあった掲示板の前で待っていてくれた。
「入ってすぐのここは酒場。まぁ、社交場みたいだな。
 飲み物系のアイテムや回復アイテムなんかは大体ここで買えるし、たくさんアバターが来るから情報交換も出来る…らしい。」
「…ねぇ、もしかして…さっきから雑誌読んでない?」
「ん?何故分かる?」
「語尾がなーんか曖昧なんだよねぇ…。
 スカイも初心者なのに詳しいからさ、アレ?って。」
「…お前ってさ、変な所だけ鋭いよな。」

褒められたのか、けなされたのか分からないがそのまま会話は続く。
「向こうの奥は業務委託所。あっちの奥は雑貨屋。」
「ぎょうむいたく?」
余りピンとこなかったので聞き返す。