ACcess -操-

この関係は何だろう…。
いつも思う。

本当は嫌だった。
人と関わるのが。
何かが音を立てて崩れていく気がする。

こうやって誰かといるのも不思議な気分だった。

こんな自分になったのはいつからだったっけ?
思い出せない。

でも、最近の事だ。

おかしいな、俺。
少しずつ人が好きになっていくみたいだ。

そんな自分が本当に嫌だ。


地下へ続く坑道の前で考え事をする俺達。
「…何故だ?」
「仕掛けた本人に聞けば?」
「外してくれ。」
「専門外だ。」
目の前には封印か何かの仕掛け。
先に進めないようになっている。

それにしてもダンジョンの入り口に何故罠が…?
本来ならモンスターに対して使う物だ。

足で蹴りつける。
耳の奥にダイレクトに届く甲高い音がした。
「ってか、これ封印の罠だよね?」
「知らない。」
「ちょっと、高レベルプレイヤー…。」
「あんま興味ない。」
俺よりも遥かに高いレベルのペッパーは色んな物を知ってるはずなのに…。
本当に知らないのか?

俺達は仕掛けを外したいが、外す専用のスキルがない。
「はぁ…どっかにシーフ落ちてないかな?」
「ってかさ、仕掛けられるくせに外せないの、自分?」
「仕様だ。」
俺はペッパーを睨む。