最近色んな事に馴れてきてしまい、バイトや遊びなんかで勉強する気力が無くなってきてしまった。
それに夏前で暑いし、テストはまだ先だし…。

合格した日から入学したてのあの頃は、勉強頑張ろう!なんて凄く意気込んでたのになぁ…。


なんて考えていると、どこからか自分の名前が聞こえた。
「おーい、水野ー!」
上を見上げる。
「翔ー!こっちこっち!
 先生まだだぞ!
 席は確保してあるからさっ、早く来いよっ!」

眩しくて中々、姿を捕らえることができなかった。

でも声で分かる。

彼はよく連んでる宮田彰。
出席番号は僕の一つ後ろ。
大学で初めて友人と呼べる人物だ。

眉の上に手で傘を作り、声がする方に顔を向ける。
「彰ぁー!今行くよ!」
僕はそう答え、お弁当に気をつけながら教室まで急いだ。