高校2年生
4月


「えっ・・・うそ・・・・」
珍しく明花が呆然としていた。
「どうしたの?」
「絢子ぉ・・・・・クラス離れた・・・。」
「え?あ、本当だ。」
私と明花は文系だ。でも文系のクラスは人数が多いので離れてしまった。
「どうしよう・・・羽須美は理系だし・・・絢子ぉ、あたし淋しいよ。」
「明花ならすぐに友達できるよ、ほら、担任は古典の加瀬先生だし、ね?」
そう言って私は掲示板を指さして一人の名前を見つけた。



甘木悠平



「ほら、甘木君もクラス一緒じゃない。」
 そう言おうとしたのになぜか言えなかった。
 去年の冬に「あれ」を見て以来なぜか明花に甘木君の話は出せなかった。




きっと甘木君は明花のことが好きなんだと思う。



明花は??





「前島、黒坂おはよう。」
声の主は甘木君だった。隣には木部君と羽須美もいる。

「おはよう・・・」
明花はまだ暗い。
「木部君と羽須美は同じクラスだったね、いいね、愛する者同士・・・。」

「前島、気持ち悪いな、元気出せよ。」
「そうよ、アマが同じクラスじゃない。」
「羽須美はわかってないな、あたしには心の癒しが必要なの。アマじゃだめなの。」
「悪いな、癒しじゃなくて。」



端からみたら仲の良い友達同士の談笑だ。














「絢子、落ち込み過ぎだろ。」
「〜〜〜〜〜切ない・・・・。」
皆の前では強がったものの、実は私も明花や羽須美とクラスが離れて落ち込んでいた。



ヤバイ、泣きそう・・・・


「まあ、大丈夫だろ、昼とかは一緒に食べるんだし。」


「ん〜〜〜〜・・・・」


本気で涙が出てきた。


修は私の髪を撫でながら言った。


「お前、一年前とは変わったな。」
「なにが?」
「何て言うか、イイオンナになったよ。」


ちょっと涙が引いた。



神様
訂正してあげる。


年齢に応じてあなたは公平だ。


今この一瞬

世界中の皆が幸福な気がした。


私も単純だわ。