まあ、羽須美は隣のクラスだからいないのはおかしくない。


 でも卒業式には仲良し三人組一緒にいたいじゃない?




 羽須美のクラスを覗いたけど羽須美はいなかった。
「さっき泣きそうだったから屋上かも。羽須美、泣いてる顔人に見られるの嫌がるから。」


明花はそう言って屋上階段の前で止まった。










聞き覚えのある声がした。

聞き耳をたてる。


なんか私の高校生活こんなの多くない??


って誰に言ってるんだろう。



「甘木君、大学決まっておめでとう。」


羽須美の声だ。


別にそんなことこんなとこで言わなくてもいいのに。


「それでね、甘木君、大学一緒の県じゃない?だからってわけじゃないけど・・・」



「私と付き合ってほしいの。」



何??



私は思わず明花の方を見てしまった。



無表情





気持ち悪い。


明花の顔に表情が無いのは気持ち悪い。


何を考えているの??







「いいよ。」






甘木君の返事にはもっと驚いた。




なんで?

どうして?




甘木君





明花の事が好きだったんでしょ?





なんで受けちゃうのよ。



私がぐるぐるしているとチャイムが鳴った。



やばい。


帰りのHRが始まる。


高校生活最後のHR。




「絢子、行こう。」



明花はにっこり笑って走っていった。







私にはわからない。

明花の考えていることも


甘木君の考えていることも




全然わかんない。




きっとこのまま二人はバイバイしちゃうんだろう。


ずっと何かが引っかかったまま

後の人生を送っていくんだろう。