時計を見ると、もう9時だった。
「もう、こんな時間か、送るよ。」
修は伝票を持って立ち上がった。
「今度、会わせてよ、その明花ちゃんに。」
「何で?」
「気になるから。プライドの高い絢子が敗北感を感じるくらいの可愛さって。」
「嫌よ、修ロリコンだもん。」
痛いなあ、と修は笑いながら車を運転していた。
「ロリコンじゃない。こんな美人な女子高生と付き合ってるなんて。」
「一言余計だな。」
「事実です。」
もっと一緒にいたいのに無情にも車は私の家の前に着いた。

「今度、いつ会える?」
「また、メールするよ。あ、お前読めないメール送るなよ。あと、宿題はちゃんとやれよ。」
「また、子ども扱いする。」
「社会人から見れば、高校生は十分子どもです。」
おやすみ、と言って修は去っていった。


ねえ、
私が高校生じゃなかったら、ここでキスしてくれる?
私が高校生じゃなかったら、子ども扱いしない?

修と同じ年齢だったら、こんな事考えなくていいのに。


神様は不公平だ。