「これ、ここの公式ひっくり返して使えば出来る。」
「え?そんなことしていいの?」
「しないと出来ないよ。」
「そっかぁ、応用ってやつだね。」

しばしプリントを解く明花。
その手元を見ている甘木君。

教室には二人きり

と外でこっそり覗く私。
ストーカーか?





「前島。」
「ん?」

「リボン、曲がってる。」
「え、また?」
ほどいてやり直そうとするが、明花は見事に不器用だ。


「かして、やってやるよ。」
「出来るの?」
「まかせな。」


二人は一つの机を挟んで座っていた。
甘木君は手を伸ばして明花の胸元のリボンを結ぶ。
多分本人達は気づいていないけど、
なんかちょっとエロティックだ。




私の考え方がおかしいのかな。



「ほら、できた。」
本当に甘木君は何でも出来る人だ。明花は満足そうに胸元を見た。

「ありがとう、アマ。」
そう言って明花は照れくさそうに、にこっと笑う。



何か、明花。
その笑い方、
私見たこと無いよ。



でも、
凄く可愛い。



勘違いじゃないよね。
ううん、明花のあの顔は本物だ。





ねえ、明花





明花は甘木君のことが















好きなの?