「何ボーッとしてんだァ?」


坂本は、コーヒーを啜りながら、私に話しかけてくる。



「…別に。」



坂本から目をそらし、適当な椅子に座った。



(今私は、必要以上に関わるべきじゃない。

でも、こいつと3年A組の関わりを見つけないと…)



頭の中で、ベストな行動を探り出していく。



(確かこいつは、3Aの担任の野田と、昔組織に所属していた…

だったら、こいつも任務の対象となる。)



いろいろ考えた末、そんなことを思い出し、聞いてみることにした。




「さ… 「ほらよ。」…?」



聞こうとした瞬間、言葉を遮られ、何かを差し出された。



「飲め。」



差し出されたのは、まだ湯気が立っているコーヒー。

しかもブラック。


「ブラックは飲めないんだけど…」


「安心しろ、砂糖が入れてある。」


「…」



なぜかそれが気に食わなかったが、出してもらったものを拒むのも気が引け、とりあえず受け取った。



「ありがとうございます…」