私が担当を変わりやっていた仕事は…雑務に近いものだった。
といっても、仕事を選べる立場ではない。
とにかく目の前の仕事を熟すだけ。
そういう毎日が続いたある日、私はある上司に呼ばれた。

上司:部長から異動の話とかあった?

私:まだそういう具体的な話がありません。

上司:それなら自分が部長と交渉して、〇〇さんがこの部署に残れるようにする
私:はぁ

このようなやり取りをした。
とにかく、この上司には「私」という存在価値を認めてくれた。
仕事の正確さ・迅速さを認めてくれたのだった。

それから約三ヶ月の間は雑務のような仕事を黙々と熟していた。
この頃は文句ひとつも言わず、言われた指示通りに仕事をしていた。
それは私を認めてくれている上司への恩返しでもあった。
この上司がいう通り、異動の話は一切出なかった。

ただ「この先の不安」を抱えながら…仕事をしていたように思う。
でも今の立場で仕事をするよりは、異動して「心機一転」仕事をするのも良いかな?と思い出したのもこの頃だった。
新しい環境で、仕事をした方が良いのでは?と半ば判断していたのだった。

そしてある日、部長から呼出があったのだった。