バス停に残されたのは
私とひさぎ、二人だけ

二人の他に

誰もいない

二人だけ・・・

『ヒサ兄と
 早く結ばれなよ』

なぎの言葉が
私の頭の中を
クルクル回る。

私の頬が
赤くなるのが分かる。

私は、ひさぎの手を離れ
なぎ達を乗せたバスを
見つめていた。

「行っちゃったね
 バス・・・
 もう、あんなに
 遠くに見えるよ
 そうだ、今日ね
 新しい友達ができたの
 さっきの子達・・・」

「チトセ、おいで」

ベンチに腰を下ろした
ひさぎは、私を呼ぶ。

ひさぎへと近寄る
私の左手に貴方は
右手で触れ、ベンチ前
へと引き寄せる。