「嘘、昨日
 出会ったの?」

驚く、紅美と実花子に
なぎは言う。

「二人は、昨日今日
 付き合った
 仲じゃないよ
 半端無い熱々ぶりに
 こっちが見てて
 恥ずかしくなるもん 
 あっ、居た」

「えっ、どれどれ
 どの人が
 チトセの彼?」

ひさぎは私達が来た事に
全く気づいていない。

男友達数人とバス停で
楽しそうに話している。

その傍には、大学生風の
女の人が二人立っていた

女性の手が、ひさぎの
黒い髪に触れる。

ひさぎはその手を
振り払う事なく
優しく微笑んだ。

それは愛しい人に
捧げる笑顔。