黒紅花

UFOキャッチャー、動くアームを見つめている私の視界がどんどん涙でにじんでゆくのは、ひさぎがいつかの約束を覚えてくれていたから。


『じゃあ、今度は
 男?取ってやるよ』

『そう、それ

 今度、時間がある時にな
 約束』


ガラス越し涙を拭う私の姿を見た貴方は、前を見たまま開いてる方の手で私の頭を優しく撫でてくれた。


ソファーの椅子に座ってずっと待ってるお利口なカノジョの為にも、時間を忘れてUFOキャッチャーと格闘するひさぎ。

両替機で崩した百円玉もどんどん消えてゆく。


「おいっ、いい加減にしろよ

 全く」

「ひさぎ、ファイト!」

「おう」


貴方の一番近くで、私は貴方のことを応援してる。

ずっと……