黒紅花

携帯電話なのに携帯(身につけたり、手に持ったり)していないという話の様で、納得する私。

思いかげないプレゼントを手にした私は嬉しくて、もうしっかりとこの腕に時計をつけている。


「ひさぎ、ありがとう」

「大事にしろよ」

「うん」


私は時計のついてる腕をわざとらしく前に出して言うの。


「ひさぎ、まだ早いけど
 そろそろ行く、ひさぎ待って!
 
 どこ行くの?

 ひさぎ?」


ひさぎの後をついて入店した場所は、ゲームセンター。

貴方は店内を見て周ると、あるUFOキャッチャーの前で立ち止まる。

そして、お財布から小銭を取り出して入れた。


「……ひさぎ」

「約束した人形より小さいけど
 居ないよりマシだろう、彼氏?」

「うん」

「絶対、取って連れて帰ってやるから
 チトセ待ってろよ」

「うん」