黒紅花

ひさぎはいつものように私の頭にヘルメットを被せ、そして私の世話を焼く。


「これで良し

 チトセ、行くぜ」

「うん」


私達二人を乗せて走り去る、バイク。


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なぎ達との待ち合わせの時間まで、私とひさぎは街を探索中。

時間がある私達は、いつもは絶対に入らないだろうお店の中にまで思い切って入ってみる。

そんな中、木で彫られた立派なお店の看板に目を留めたひさぎは店内へと入って行く。


「ひさぎ」


看板には、時計店の文字。

店先にはサングラスに眼鏡が並び、そして店内の壁一面にはいろんな種類の壁時計。

飾ってあるものはどれもこれも高級そうな品物ばかり。

時計に眼鏡はもちろんのこと、高価な装身具の数々に私は目を奪われた。

店内、視線を巡らせる私は今、パリッとスーツ姿できめた店員さんと目が合ってしまった!

こっちに来る……逃げなくちゃっ!