黒紅花

「チトセ、それでバイク乗る気なのか?」

「うん、大丈夫でしょう」


ふんわり素材の膝上丈のスカート。

首を傾げて見せるひさぎに、私はスカートの裾を持って言うの。


「これ、キュロットスカートだよ

 ほらっ、ズボンズボン」

「ああ、そうなの」

「あ~、ひさぎ
 今、ちょっと残念がったでしょう?

 スカートの方が良かった?」

「何が?別にどうでもいいよ」

「ふうん」

「なんだよ」

「ふふっ、何でもないよ」


ひさぎのバイクの後ろ、そこが私の特等席のものだから、ついついパンツスタイルの方が多くなってしまうわけで……

今日はほんの少しだけど、ドレスアップしたんだけどなぁ。


「それ、似合ってる」

「ほんとう!」

「ああ、いい感じじゃん」


私達はバイクの傍に立ち、人目につく事の無いようにサッと軽くキスを交わした。