黒紅花

「そうなんだ~
 うん、わかったよ
 じゃあ、そういうことで……」

「何、どうかしたのか?」

「うん、トキワ君
 急の仕事で少し遅れるみたい」

「そうなのか
 何やってるんだ、主役が」

「仕方ないよ、仕事なんだから

 ナギは学校が終わったら
 クミとカコと三人で待ち合わせ
 場所に来るって
 
 だから私達も予定どおりに
 家を出ればいいね」

「ああ……なあ、チトセ
 せっかくだから少し早めに出て
 街をブラブラするなんてどう?」

「うん、それいい」

「じゃあ、決まり!」


家の戸締りを済ませ鍵をかけた私達は腕を組んで歩く。


「デートなんて久しぶりだね?」

「いつもしてんじゃん

 コンビニとか」

「そんなのご近所をブラブラ
 してるだけでしょう

 デートじゃないよ」

「そうなの?」

「そうだよ!」


久しぶりのデートに浮かれて弾む私の足取り。

スカートの裾がヒラヒラと風に舞う。