黒紅花

「ひさ……」

膝をつく私のことを抱きしめる貴方の腕、強く強く私の体を締め付ける。

貴方の力は凄まじく、私をフローリングの床に横たわらせた。

固く冷たい床と貴方に挟まれた私は必死に起き上がろうとした。

だけど、私の肩を貴方は押さえつける。

身動き取れずにジタバタしちゃう足。


怖い……

そう思うと同時に、貴方の瞳から綺麗な涙が零れ落ちた。


私が怯え、声を上げ、泣くよりも先にあなたが泣いた。


「どうして泣くの、ひさぎ?」

「俺はお前のこと
 
 傷つけたくない

 それなのに傷つけてる」

何……?

「知らず知らずのうちに俺は……」

貴方は私を優しく抱きしめて耳元で囁いた。

「知らなくて

 傷つけた

 すまない」

「えっ?」

流れる沈黙----