黒紅花

大きな道路から逸れて入った路地には、二つに別れる道。

右側の道へと少しバイクを走らせると公園が見えて来て、灰色の建物の前でバイクは停まった。

歩道、ガードレール側に停められたバイクから降りると、貴方は私のヘルメットを外した。

「着いたよ」

「ひさぎ、ここは?」

「いいから、俺について来て」

ヘルメットを手に歩くひさぎの後に私はついて行く。

赤いカラーコーンが駐車禁止を知らせてるマンションの中へと私達は入って行く。

ここは何処?

誰かの住まい?

『マンションに住んでるの』

確か、なぎがそう話してたっけ。

「なぎの家?」

なんてことはないよね、だって二人は喧嘩しているはずだもの。