黒紅花

店の扉を開けて外に出た私達に降り注ぐ、太陽の光。

足元に伸びる影はふたつ、寄りそう。

私達はしっかりと手を繋いだまま。


歩道脇に停めてあるバイクへとひさぎは近づく。

それは、ひさぎのバイクなの?

バイク……確か、昨日見たような……

「行こう」

「どこに!?」

貴方は、私の頭に以前のようにヘルメットを被せてくれた。

そして顎元、カチッと音がしたと思ったら紐を調節してしっかり締めてくれる。

「これでよし」

貴方はヘルメットを被った私の頭を、ポンポンと優しく叩いた。

「ねえ?」

「行こう

 ……になれる場所へ」

「えっ、どこ?」

貴方の声をかき消すエンジン音。