黒紅花

「いえっ、何も……

 お客様、失礼ですが冗談は止めて
 注文して頂かないと困ります」

「だから言ってるだろう

 注文はチトセ

 お前しか要らない」


『お前しか要らない』


胸をつく貴方の言葉。

お願い、そんなにも真っ直ぐな瞳で私を見つめないで。

突然貴方の前から姿を消した私のこと、今もそんな風に想ってくれるの?

真剣なその眼差しは、嘘つかない。

『お前しか』

嬉しさに高鳴る胸の鼓動、その音を貴方に聞かれてしまう。

「チトセ、話そう」

駄目!

駄目だよ。

お願いだから、私なんかに構うのはやめて……

「話なんて私にはありません」

そう、同じこと繰り返しちゃいけない

絶対にダメ!