黒紅花

『新しい場所でママと最初から
 やり直しましょう?

 ……貴女のことはママが守る』 

確か、ママはそう言ったくせに!

「そう、そうよね、わかった」

私は、再婚だなんて母の行動を許せない!

だけど母が柴田さんのことを信頼し深く愛していることを知っているくせに、その愛を壊すことできない。

「だけどね……

 ママは行った方がいいよ
 
 好きな人なら絶対に離れちゃダメだよ

 自分から愛を手放すなんて
 やっぱり良くないもん

 私は行けないけどママは行くべきだよ

 私なら大丈夫、ちゃんと親離れできるよ」

「チトセ

 あなたいつの間に
 そんなに大人になったの……

 こんなママで、本当恥ずかしいわ」

一ヶ月後、仕事一筋だった母は全てを捨てて、柴田さんと共にこの街を去った。

そして、私はと言うと----

「チトセ、おばあちゃんと
 またあの家で二人で暮らそうか?」

「うん」