黒紅花

先のことを考えると不安でたまらない
のはひさぎの方なのに、貴方は決して
弱音を吐かない。

背中をゆっくりと摩っては泣いてる私
を宥める貴方の優しさに触れて

気がつくと私は、ひさぎの背に両腕を
回して抱きついていた。

私は、その腕に力を込める。

強く、強く・・・

「チトセ?」

「ひさぎ、キスして?」

静かな時の中で、二人は見つめ合う。

瞳を閉じる私に、貴方はキスをくれた
けど、そのキスは手を一度パンと叩い
たぐらいに早く唇が離れた。

抱きつく私の腕を解きながら、ひさぎ
は言う。

「ほらっ、もう寝よう
 
 明日、早いだろう?
 
 そうだ、学校まで送って行って
 やるから心配すんなよ」

貴方に解かれた腕・・・

何だか悲しい・・・