苦しいのは、嫌だ。

苦しいなら、いらない。

「チトセ、何があった?
 何がお前を
 そんなに悲しませる」

私の頬に触れようと
伸びる貴方の手から
私は離れ、一歩、二歩と
後退りする。

「ごめんなさい
 やっぱり、貴方とは
 ・・・・・・」

貴方は、私の手首を
強く握り締める。

「細い腕、折れそうだ」

強く、強く握る。

「痛い、放して」

凄まじい力

貴方から

逃れられない。