ついさっき元カノが被ったはず
のヘルメットを、私は受け取る
こと躊躇する。

ひさぎのバイク・・・

「私

 乗ってもいいの?」

「ああ、当たり前だろ
 
 茶店にでも入って
 これからのこと話そう」

「これからのことって
 別れ話じゃないよね?」

不安な瞳

受け取れない、ヘルメット。

「ああ、違う
 
 俺達は別れたりしない」

貴方は、私にヘルメットを被せ
また、首元の紐を締めてくれた

貴方の背に腕を回して私達は
行く宛もなく、ただバイクを
走らせた。

走る道の向こう、青空が見える

雨雲の合間、天から地上に指す
一筋の光は、私達の行く道を
温かく照らしてくれる?