「チトセを傷つけた
 
 アンタなんて・・・

 もう、私のお兄ちゃんでも
 何でもない

 また、裏切られて
 
 捨てられればいいわ」

なぎは、千歳の後を追う。

「ヒサ

 いいの・・・?」

バイクに跨る、ひさぎは
ハンドルを強く握る。

『お願い、彼女には
 会わないで・・・』

千歳を傷つけておいて
追いかけて今更、何を言う。

彼女との出来事を赦してくれ
どうかしていた。

そう、言うのか?

『ひさぎ、ごめん
 
 ごめんね』

あいつを今以上
もっと、傷つけるだけ・・・

走り出したバイクは
もう見えない。