黒紅花

「チトセの手
 
 あったかい・・・

 ママの手みたい」

残酷な母親の手でさえも
なぎには温もりを感じる
ことができた。

「そう?」

「うん、チトセありがとう
 私の傍に居てくれて

 話を聞いてもらったら
 少しすっきりした

 ねえ、チトセ
 お願いがあるの」

「おねがい・・・」

深刻な表情で、なぎは
私を見つめる。

「ナギ、何?」

「ヒサ兄のこと
 よろしくお願いします」

そう言いながら、なぎは
私に深く頭を下げた。