「チトセ

 僕を、捨てないで・・・」

ひさぎの右目から流れ
落ちる一粒のきれいな
涙・・・

「俺を・・・」

「ひさぎ、捨てたりしないよ
 あなたを捨てたりしない」

私は、貴方を抱きしめる。

強く強く・・・

「俺の傍に居てくれ」

「居てもいいの?
 
 こんな私でもいいなら
 
 貴方の傍に
 ひさぎの傍に
 ずっと居たい」

路地裏、抱きしめ合う二人

「ひさぎ、愛してる」

「愛してる」