黒紅花

聞けない

聞いちゃいけない・・・

私では、貴方を救えない?

何も話さない、二人・・・

残酷にも空は、二人の時間
に終わりを告げる。

夕暮れ・・・

私へと差し出される
ヘルメット。

「ひさぎ?」

「家まで送って行くよ」

「いいよ
 近くの駅で・・・」

ひさぎの溜息が、ひとつ

「・・・そうだな
 
 俺が送って行くと
 迷惑になる」