黒紅花

「夜になれば、もっと
 きれいだよ」

「夜景? 
 見てみたいなぁ」

「一緒に、見る?」

景色を見つめたまま
貴方は、そう呟いた。

一緒に見るって事は
夜を一緒に過ごすこと
・・・だよね?

返答に困っている私を
ひさぎは、その胸に
抱き寄せて耳元で囁いた。

「今夜だけでいい
 
 一緒に過ごそう?」

「・・・・・・」

見つめる、狂おしい

貴方の瞳

私、融けてしまいそう・・