貴方は私に問いかける。

「奴の話、聞いた?」

「私は貴方に呼ばれた
 から、ここに来た
 ・・・・・・
 話が無いなら
 戻ります」

貴方は、友達と
目を合わせて首を
傾げるのだった。

私は、貴方に
そう告げた後
並んでいた場所に
戻ろうとした。

「ちょっと、待って」

その手を、貴方は掴む。

その時、私が乗るはずの
バスが停留所に停まる。

私はただ
乗車する人達を
ボーっと見つめていた。

「走れば、間に合う」

私の手を引く彼の手を
私は強く振りほどいた。

もう
バスに乗る事を諦めた
私の足は、動かない。

バスは
停留所を後にする。

「ごめん・・・」

貴方の声に重なる
もう一つの声。

「ごめんね、こんな
 忙しない時間に
 俺が君に告白したり
 したから、本当ごめん
 ・・・」
 
私は、その言葉に驚く。

「告白・・・ですか?」