「優花ー理沙ー!!」

後ろの方で声がした。
振り向くと蒼が走ってこっちにきてた。
なんか面白くなったあたしは
「理沙、逃げようか」
「え、なんで?」
「なんとなくっ!」
あたしは座ってたイスから立ち、理沙の手を引いて
走って中庭に逃げた。

この学校は公立だけど意外と広い。
そして迷路みたいにいろんな部屋や廊下がある。
高2になってやっと学校の全体図が把握できたぐらいだ。

疲れたあたしは何とか中庭にきてベンチに座った。
ふと横の理沙を見るとあたし以上に息が上がっていた。
それをみてると笑えてきた。
「あははははっ。どんだけ息きれてんのー」

笑っていると向こうから蒼が走ってきた。