そのままの気持ちを抱え
合宿の当日になった。

前日まで練習があったため
みんな疲れているだろうと
思っていたのに、
行きのバスは大盛り上がり。

私はすぐバス酔いをしてしまうから、前の窓際の席で1人

静かに風にあたっていた。



合宿までの間、
私と木下くんは部活以外で
言葉を交わす事はなかった。


それは、当たり前といえば
当たり前の事。
なのに、柚木さんとの事を
考えるとまたモヤモヤとした
気持ちになる。

柚木さんは、何も
悪くはない。
悪いのは、木下くんを
勝手に好きになってしまった
この私だ ‥。







バスの中の盛り上がりは
どんどんと増す。

元気に騒いでいる、美衣。
みんなに気配る、柚木さん。
楽しそうに騒いでいる
みんな。




そんな、バスの後ろの声を
聞いていたら私なんて
いなくてもいい。なんて
変な考えが頭をよぎった。