あの日、貸してくれた 帽子。 それは、未だに 私の手元にある。 何度も返そうとは するんだけど、 なかなか返せずにいて 木下くんも予備のが あるからって言って 取り戻したりはしない。 実は手放すのが 怖いんだ。 あの帽子は あの頃、私たちを 繋いでいた唯一の物だったから。 それは、誰にも話してない 私たちふたりの秘密ごと。