夏休み前の
最後の練習の日。
私は、明日からの
夏休みに向けてボール
磨きをひたすらしていた。
『あっち。お、春田お疲れ』
すると、休憩中の
木下くんが通りかかった。
「お‥つかれさま。」
もう何度か会話は
しているのに
今だに私は緊張している。
『ボール、平気?ひとりでやってんの?』
「大丈夫だよ、美衣とか柚木さんは部室の掃除中。」
『そーっか、手伝う?』
「平気。マネージャーの仕事だもん。木下くんは練習、あるでしょ?」
『あっちぃから無理すんなよ?じゃー、これ貸してやる。』
そう言って木下くんは
自分の帽子を私に
被せてくれた。

