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雨が降ってきたから、急いで家の中に。
髪が少しぬれたので、聡一が髪をふいてくれる。

わしゃわしゃ

「さっき」
「何、言おうとしたの?」

私は、聡一の方に振り返る。


「…大切な人です…」

「どうしたんですか?急に」

「はぐらかさないで」
涙が込み上げてきたー。

「えっ、あの、お嬢様…?」

ヒック…ヒックっ

「私のこと好きなら好きって…!!〜〜〜〜〜」


その部屋から私は勢いよく飛び出した。

バンッ



『どうしよう』

『どうしよう』



「…もう、とっくに好きですよ」

壁にもたれかかり、そのままずり落ちる。



(ー言っちゃった…)
広いホールでペタンとその場に座りこむ。


「聡ちゃんのバ」
「カ〜〜〜〜〜」
「うわ〜〜ん」

座りこんだまま、子供のように泣きじゃくってしまう。