「未完成恋愛論」
ーマリアと名付けられてー

キャンヴスは色褪せない
この身が老いても
どれだけ時が流れて往こうとも

笑顔を僕だけの物にしたかったから
君をこの心に閉じ込めた

100年後、僕無き世界で
描いた絵は
「聖母(マリア)」と皆に名付けられた

どうしてももう一度だけ
君に触れたかった
だから翼が無くても飛んだのさ

魂はいつまでもこの部屋に留まり
笑顔の側に在り続けた

永遠の時間、孤独な世界
君の笑顔に
どれだけの人が癒されたのだろう

僕だけがあの日のままで
変わる事を恐れた

100年後、僕無き世界で
描いた絵は
「聖母(マリア)」と皆に名付けられた

君は僕だけの者じゃない
遥か時を越えて
僕は罪を犯し続けていたのかな?

キャンヴスは色褪せない
この身が朽ちても
どれだけ時が流れて往こうとも

キャンヴスには君がいない
誰が描いたのかさえ
これから先は誰も知らないから

君は聖母(マリア)と名付けられた