「お前の好きな数字って何?」 …は? 何こいつ。 初対面の人に言うことがそれ? あたしはそう思った。 高校の入学式という華やかな式典の後のことだ。 誰もいない教室、なんて言ったらなんかかっこいいけど、 ただ単に放課後なだけ。 あたしこと竜崎沙耶は入学式早々忘れ物をして教室まで戻ってきたのだ。 そしてこの意味不明男に出くわした。