図書室に入るとふと思い出す。黒いソファーで向かい合って喋った事を。君の無邪気な幼い顔を…本当に楽しそうにブロックを重ねて遊んでいる姿を。
2列目の棚を通り過ぎれば、あの時の会話を。奥のテーブルに腰をかければ君の事を。一番奥の自転車置き場が見えるテーブルを見つめながらあの時の様子を…。また私は立ち上がりソファーへと向かった。

その近くには椅子が2つ。地べたに座って君の制服のシャツの袖をつかむ私が見えた。そして小指と小指を繋いだ2人が…。涙目の私が…。

カウンターには君が座っていた。私は図書室を飛び出して渡り廊下を通り過ぎ、上へ上へと階段をのぼった。