他愛ないことを話ながら迷路のような校内を二人で歩いていく

必死に道順を覚えようとしたけど

本当に広くて覚えられそうにない

これから大丈夫かな


あぁ~いまから心配になってきた・・・


そんなことを考えていると教室に着いたようだった

1-Bの教室の前で歩みが止まる

「結城さん、ここが1年の教室になるからこんどから迷わないようにな」

「あっ、ありがとうございました。」

そうお礼を言った後に気づいた

先生は入学式のプログラムを持っていて

あたしと反対の方向からきたということは・・・


「あの、すみませんでした。一緒にここまできて頂いて・・・
 そのプログラムをおきに行く途中だったんですよね
 なのにこんなあたしにつきあってもらって
 本当、ありがとうございました。」

「ん?あぁ」

先生は手元にある大量の書類をチラっとみた

「まぁいいさ。これからは気をつけるように。
入学式当日に迷子を案内したのは初めてだな。」

そういうと元来た廊下を歩いていってしまった


本当にドジな子って思われてるよ