状況が飲み込めてないアタシはその手を見てとまどう。
だって何のためにここへきたかもわかんないのに、急に行くとかないでしょ。
ためらってると、健太さんに手をとられた。
「大丈夫。
人と会うだけだから。
ホントはそのへんの店で会う予定だったんだけど、アイツ来ないから部屋まで押しかけてやろうぜ♪
裸でも何でもアイツが悪い」
意地悪そうに笑って、歩き出した。
オートロックのドアに暗証番号みたいのを打ち込んで、中に入っていく。
そしてエレベーターに乗り込み、最上階の10階のボタンを押した。
ドキドキと胸は高鳴っている。
だってこんなイケメンと手繋いでるんだよ?
一生のうちにこんな経験ないって!
独りで焦っていると、最上階に着いた。